2、裏蓋を開ける

2015年6月24日

 

ベルトを開くこが出来たら、専用の工具を使って裏蓋を開けます。

裏蓋を開ける際は傷を付けないようにご注意ください。

(※電池交換の際に付く傷は「あなたの時計も確認してください。電池交換の際に付く傷を公開します!」でご紹介していますので興味がある方はご覧ください。)

 

裏蓋の構造は主に以下の3種類に分かれます。

※全ての時計がこの3種類に分類されるわけではありません。

 

構造によって開け方が全然違うので、ご自身の時計がどのタイプなのかを確認し、下の項目から対応したものをご覧ください。

こじ開け

まず、使う工具です。下の画像の工具(こじ開け)を使って開けます。

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先端が薄くなっているので、そこをケースと裏蓋の間に押し込んで開けます。

この工具を使って開ける腕時計のほとんどはケースと裏蓋に差込口があります。

下の画像の赤い丸の部分がそれです。

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このタイプは特にわかりやすいタイプですが、わかりにくい時計もあります。

真横から見て一部分だけ隙間が大きめに開いているところがあれば、それが開け口です。

 

※シチズンが製造した時計(シチズンブランドに限らず)は裏蓋の刻印に開け口の場所が示されています。

詳しくは シチズンの裏蓋の「開け口」を簡単に知る方法 をご覧ください。

 

隙間を見つけられたらこじ開けを差し込みます。

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そして、押し込むように力を加えます。

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持ち方はこんな感じです。

グッと、こじ開けを内側に押し込んでください。

先端が少し蓋とケースの間に入り込んだら押し込みながら上下に少し動かすのがコツです。

ただし、滑らすと時計に傷が付いたり、手を怪我することもあるので気を付けてください。

もし、うまく開かない場合は 裏蓋が開かない場合【プロがやる裏技】 も参考にしてみてください。

 

スクリュー

このタイプは裏蓋自体がネジになっていて専用の工具で緩めて取り外します。まずは工具のご説明を致します。

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このオープナーは3点の爪(上の画像、赤丸の部分)をケースの溝にひっかけて裏蓋を反時計回りに回すタイプです。2点のものもありますし、それより多いものもあります。

引っかける溝の距離は時計のサイズによって違うので調節ネジを使っていろんなサイズに対応できるようになっています。

 

それでは裏蓋の溝の部分を確認しましょう。下の画像の赤丸、黄丸がひっかけ溝です。(赤丸の3点にひっかけるか、黄丸の3点にひっかけるかわかりやすいように色分けしました。溝自体に違いはありません。)

もし2点式のオープナーの場合は対角線上にひっかけます。(下の画像の場合は赤色と黄色の組み合わせになります。)

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開け方が確認できて、オープナーを裏蓋のサイズに合わせることが出来たら時計を固定台に固定します。

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しかっりと固定が出来たら先ほどのオープナーを溝にひっかけて土台をおさえながら反時計回りに回します。

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一度ゆるんだらあとは指で回していった方が楽です。

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無事に開くと上の画像のようにムーブメント(機械)が見えてきます。

(専用の工具を使わずに開けるには スクリュータイプの裏蓋を「100円」で開ける方法! をご覧ください。)

 

ネジ止め

単純にネジを緩めて外すだけですが、対角線順で一旦すべてのネジを軽く緩めた後にもう一度対角線順にネジを緩め取り外していきます。
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ネジやネジ受け部分に負担がかかるので裏蓋の中心を軽く押さえ、ネジが緩んでも蓋が浮かないように作業する事をオススメします。

稀に止まっている個所によってネジの長さが違うことがあるので取り外しながら確認してください。 ネジは小さいので紛失やネジ山の破損に注意しましょう。

ネジが取れたら裏蓋を取ります。

 

次に下の画像をご覧ください。G-SHOCKの場合さらに黄色の矢印の部分の灰色のシートを取ります。

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取り方は単純に剥がせばいいのですが、ムーブメント(機械)にくっついているときがあるのでご注意ください。

また、赤い丸で囲ってある部分にはバネが入っています。 このバネがなくなってしまうとアラームが鳴らないなどの不具合が出てしまうので無くさないように気を付けてください。

赤い矢印の部分には防水パッキンが入っています。後々外すようになるので場所だけ覚えておきましょう。

 

灰色のシートが取れたらムーブメントが見えてきます。

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最後に

裏蓋は無事に開けられましたか?
ここからは中の機械を壊さないように注意してください。

特にコイル(オレンジ色っぽい所)はピンセットなどで引っ掻くと簡単に断線してしまいます。

※裏蓋を開けたままにするとホコリや湿気などが入ります。開けた後作業を中断する場合などは一旦裏蓋を仮で閉めておくことをオススメします。